2026年10月から変わる労務関連の法改正 企業が準備すべき3つのポイント(2026.8.6)
2026年10月から変わる労務関連の法改正
企業が準備すべき3つのポイント
確認日:2026年8月6日
2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策等の義務化、パートタイム・有期雇用労働者に関するルールの改正が施行されます。また、短時間労働者の社会保険加入における月額8.8万円以上の賃金要件についても、2026年10月の撤廃が予定されています。企業は、就業規則・社内方針・労働条件通知書・待遇制度・社会保険の加入対象者を早めに確認する必要があります。
法改正の概要
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改正項目 |
施行・予定時期 |
主な対象 |
企業の主な対応 |
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カスタマーハラスメント対策の義務化 |
2026年10月1日 |
すべての事業主 |
方針の明確化、相談窓口、対応手順、研修等 |
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求職者等へのセクシュアルハラスメント対策の義務化 |
2026年10月1日 |
採用活動を行う事業主 |
採用担当者への周知、相談対応、再発防止等 |
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パート・有期雇用労働者のルール改正 |
2026年10月1日 |
パート・有期雇用労働者を雇用する事業主 |
労働条件通知書、手当・福利厚生、就業規則等の確認 |
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短時間労働者の社会保険の賃金要件撤廃 |
2026年10月予定 |
主に厚生年金被保険者数51人以上の企業等 |
週20時間以上の対象者確認、本人説明、資格取得届の準備 |
1.カスタマーハラスメント対策が事業主の義務に
2026年10月1日から、顧客、取引先、施設利用者などからの著しい迷惑行為により、労働者の就業環境が害されることを防止するための措置が、事業主に義務付けられます。
企業に求められる主な対応
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カスタマーハラスメントを許容しないという事業主方針の明確化と従業員への周知
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相談窓口の設置と、相談に適切に対応できる体制の整備
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事実関係を迅速かつ正確に確認するための対応手順の作成
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被害を受けた従業員への配慮、再発防止措置、プライバシー保護
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相談したことなどを理由とする不利益な取扱いを行わない旨の周知
通常の苦情や正当な改善要求まで一律にカスタマーハラスメントとして扱うものではありません。言動の内容や手段が社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害するかどうかを個別に判断します。
2.採用活動中の求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策も義務化
採用面接、会社説明会、インターンシップ、OB・OG訪問などの場面で、求職者や学生等が性的な言動による被害を受けないよう、事業主に防止措置が義務付けられます。
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採用担当者や面接担当者に対する方針の周知・研修
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相談窓口や相談方法の明確化
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相談があった場合の事実確認、被害者への配慮、再発防止
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求職者等のプライバシー保護と、相談を理由とする不利益取扱いの禁止
3.パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが改正
2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者の待遇改善を目的として、労働条件の明示、同一労働同一賃金ガイドライン、雇用管理指針が改正されます。
労働条件通知書への明示事項の追加
雇入れ時の労働条件通知書等に、従来の「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」に加えて、通常の労働者との待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる旨を明示する必要があります。違反した場合は10万円以下の過料の対象となります。
待遇差の点検が必要な項目
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賞与・退職手当
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無事故手当、家族手当、住宅手当
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福利厚生施設の利用条件
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褒賞、夏季・冬季休暇、病気休職中の給与保障
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定年後に継続雇用された有期雇用労働者の待遇
名称だけで判断するのではなく、それぞれの待遇の性質・目的と、職務内容、配置変更の範囲、責任の程度などの違いを踏まえて、不合理な待遇差がないかを確認することが重要です。
4.短時間労働者の社会保険「月額8.8万円以上」の要件は撤廃予定
短時間労働者が健康保険・厚生年金保険に加入する際の「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件は、2026年10月に撤廃される予定です。2026年8月6日時点で、厚生労働省および日本年金機構の案内は「撤廃予定」としています。
現時点では、主に厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く方について、週の所定労働時間が20時間以上、学生ではない、2か月を超えて雇用される見込みがあるなどの要件を満たす場合、社会保険の加入対象となります。企業規模要件は2027年10月から36人以上へ段階的に縮小されます。
企業が確認すること
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週20時間以上勤務するパート・アルバイトの一覧化
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学生該当性、雇用見込み、企業規模要件の確認
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加入対象となる従業員への保険料・給付内容の説明
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資格取得届の提出時期と給与控除開始時期の確認
2026年10月までの実務チェックリスト
□ カスタマーハラスメント防止方針を作成した
□ 相談窓口と対応責任者を決めた
□ 顧客対応・緊急時対応の手順を整備した
□ 採用担当者向けのセクハラ防止研修を実施した
□ 就業規則・ハラスメント規程を見直した
□ パート・有期雇用労働者用の労働条件通知書を改訂した
□ 賞与、手当、休暇、福利厚生の待遇差を点検した
□ 社会保険の加入対象となる短時間労働者を確認した
まとめ
2026年10月の改正は、ハラスメント対策、非正規雇用労働者の待遇、社会保険の加入管理など、企業の日常的な労務管理に直結します。特に、規程を作るだけではなく、相談窓口が実際に機能すること、労働条件通知書の記載が正しいこと、待遇差を説明できることが重要です。
社会保険労務士事務所フィデスでは、就業規則・ハラスメント規程・労働条件通知書の改訂、待遇差の点検、社会保険加入対象者の確認をサポートしています。
※ 2026年8月6日時点の情報です
