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社会保険の扶養認定基準(2026.8.1)

社会保険の扶養認定基準

年収要件・同居/別居・必要書類・社会保険加入との関係

 

この記事の結論

社会保険の扶養に入るためには、原則として年間収入が130万円未満であることに加え、続柄、生計維持関係、同居・別居、国内居住、本人の勤務先での社会保険加入要件などを満たす必要があります。年収だけでは判断できません。

 


目次

1.     社会保険上の扶養とは

2.     扶養認定で確認されるポイント

3.     被扶養者になれる家族の範囲

4.     年間収入の認定基準

5.     年間収入の見込み方

6.     収入に含まれるもの

7.     同居・別居の生計維持要件

8.     国内居住要件

9.     年収基準未満でも扶養に入れない場合

10.  一時的な収入増加

11.  手続きと必要書類

12.  扶養から外れる場合

13.  税法上の扶養との違い

14.  よくある質問

15.  まとめ・相談案内


 

1.社会保険上の扶養とは

会社員などが加入する健康保険では、一定の要件を満たす家族を「被扶養者」として加入させることができます。被扶養者として認定された家族は、本人が健康保険料を負担することなく、健康保険の給付を受けられます。

また、厚生年金保険に加入する方に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者は、一定の要件を満たすと国民年金の第3号被保険者となります。

重要

健康保険の扶養と、所得税・住民税の扶養控除は別制度です。税法上の扶養に該当しても、社会保険上の扶養に認定されるとは限りません。

 

2.扶養認定で確認されるポイント

確認項目

主な確認内容

続柄

被扶養者となれる親族の範囲に入っているか

年間収入

今後1年間の収入見込みが基準額未満か

生計維持関係

被保険者が主として生活を支えているか

同居・別居

同居要件または仕送り要件を満たしているか

国内居住

原則として日本国内に住所があるか

本人の社会保険加入

本人の勤務先で健康保険・厚生年金保険の加入対象にならないか

 

3.被扶養者になれる家族の範囲

同居していなくても対象となる主な親族

·      配偶者(事実婚を含みます)

·      子、孫

·      兄弟姉妹

·      父母、祖父母などの直系尊属

原則として同居が必要な主な親族

·      叔父、叔母

·      甥、姪

·      配偶者の父母・子

·      事実婚の配偶者の父母・子など

親族

同居不要

同居が必要

配偶者

子・孫

父母・祖父母

兄弟姉妹

叔父・叔母

甥・姪

配偶者の父母

 

4.年間収入の認定基準

対象者

年間収入の基準

月額換算の目安

原則

130万円未満

108,334円未満

60歳以上

180万円未満

150,000円未満

一定の障害がある方

180万円未満

150,000円未満

19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)

150万円未満

125,000円未満

 

金額の表現に注意

「130万円以下」ではなく「130万円未満」です。年間収入がちょうど130万円になる見込みの場合は、原則として基準を満たしません。

 

19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)の年間収入要件は、2025年10月1日以後の扶養認定から150万円未満に変更されています。年齢は、扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定します。

5.年間収入の見込み方

年間収入は、原則として前年の収入実績ではなく、扶養認定を受ける時点から今後1年間に見込まれる収入で判断します。

ケース

計算・考え方

判定の目安

今後の月収が11万円

11万円×12か月=132万円

原則として130万円未満の基準を満たさない

退職後の収入見込みがない

認定時点以後の収入見込みで判断

扶養に入れる可能性がある

給与月9万円+年金月3万円

12万円×12か月=144万円

130万円基準では認定が難しい

 

2026年4月1日以後の取扱い

給与収入のみで、ほかの収入が見込まれない方は、労働条件通知書や雇用契約書などに記載された賃金から算定した年間収入を基に認定する取扱いが始まっています。諸手当および賞与も含みます。

 

6.扶養判定の収入に含まれるもの

収入の種類

主な取扱い

給与・賞与・各種手当

原則として収入に含まれます

老齢年金・企業年金

収入に含まれます

障害年金・遺族年金

非課税でも収入に含まれます

雇用保険の基本手当

収入に含まれます

傷病手当金・出産手当金

収入に含まれます

事業収入・不動産収入

健康保険上認められる必要経費を控除して判断されます

継続的な利子・配当等

実態に応じて確認されます

 

税法との違い

確定申告書の「所得金額」が130万円未満でも、健康保険上の必要経費の範囲が税法と異なるため、扶養認定を受けられないことがあります。

 

7.同居・別居の生計維持要件

同居している場合

16.  被扶養者の年間収入が基準額未満であること

17.  被扶養者の年間収入が、原則として被保険者の年間収入の2分の1未満であること

被扶養者の収入が2分の1以上であっても、被保険者の年間収入を上回らず、被保険者が世帯の生計維持の中心であると認められる場合は、総合的に判断されることがあります。

別居している場合

18.  被扶養者の年間収入が基準額未満であること

19.  被扶養者の年間収入が、被保険者からの仕送り額より少ないこと

判定の目安

親の年金収入80万円・仕送り120万円

ほかの要件も満たせば認定される可能性があります

親の年金収入100万円・仕送り60万円

本人収入が仕送り額を上回るため、原則として認定は困難です

 

仕送りの証明

別居の場合は、銀行振込明細、通帳の写し、現金書留の控えなど、仕送りの事実と金額を客観的に確認できる資料を保管してください。

 

8.国内居住要件

被扶養者として認定されるためには、原則として日本国内に住所があることが必要です。ただし、海外留学、被保険者の海外赴任への同行、海外赴任中に出生した子どもなど、一定の例外があります。

9.年収基準未満でも扶養に入れない場合

最も重要な確認事項

本人が勤務先の健康保険・厚生年金保険の加入対象となる場合は、年収が130万円未満であっても、家族の扶養には入れません。

 

通常の労働者の所定労働時間および所定労働日数の4分の3以上勤務する方は、原則として勤務先の社会保険に加入します。

短時間労働者の確認項目

2026年7月28日時点

企業規模

厚生年金保険の被保険者数が常時51人以上の企業等

所定労働時間

週20時間以上

所定内賃金

月額8万8,000円以上

雇用期間

2か月を超えて使用される見込み

学生

原則として学生ではない

 

今後の改正

所定内賃金月額8万8,000円以上の要件は、2026年10月に撤廃予定です。適用要件は改正されるため、手続き時点の最新情報をご確認ください。

 

10.一時的に収入が増加した場合

繁忙期の残業や一時的な人手不足などにより収入が増加した場合、事業主の証明を添付することで、引き続き扶養として認定される可能性があります。原則として連続する2回の収入確認までが上限です。

収入増加の理由

一時的な増収と認められる可能性

繁忙期の残業増加

あり

一時的な人手不足によるシフト増加

あり

基本給の恒常的な増額

低い

所定労働時間の恒常的な増加

低い

雇用契約変更による継続的な増収

低い

 

最終判断

事業主の証明を提出すれば必ず扶養が継続されるものではありません。最終的な認定は、協会けんぽまたは加入する健康保険組合が行います。

 

11.扶養に入るときの手続きと必要書類

20.  家族の就職・退職・結婚などの状況変化を確認

21.  収入、続柄、同居・別居などの認定要件を確認

22.  被保険者が勤務先へ申し出る

23.  必要書類を準備

24.  健康保険被扶養者(異動)届等を提出

状況

主な確認書類の例

退職した場合

退職証明書、離職票など

パート勤務中

労働条件通知書、雇用契約書、給与明細など

年金受給中

年金額改定通知書、年金振込通知書など

雇用保険受給中

雇用保険受給資格者証など

別居している場合

送金明細、通帳の写しなど

個人事業を行っている場合

確定申告書、収支内訳書など

 

12.扶養から外れる主なケース

·      就職し、本人の勤務先の社会保険に加入したとき

·      今後1年間の収入見込みが基準額以上になったとき

·      別居家族への仕送りをしなくなったとき

·      離婚、死亡などにより扶養関係がなくなったとき

·      国内居住要件を満たさなくなったとき

·      後期高齢者医療制度に加入したとき

手続きの遅れに注意

扶養資格を失った日以後に健康保険を使用していた場合、健康保険が負担した医療費の返還を求められることがあります。

 

13.社会保険の扶養と税法上の扶養の違い

項目

社会保険上の扶養

税法上の扶養

対象制度

健康保険・国民年金

所得税・住民税

主な判定方法

今後1年間の収入見込み

その年の合計所得金額

主な基準

原則130万円未満など

扶養控除・配偶者控除等の要件による

非課税収入

年金・給付金等を含むことがある

原則として非課税所得は含めない

判定主体

協会けんぽ・健康保険組合等

税務署・市区町村等

 

14.よくある質問

Q1.月収が10万円程度なら扶養に入れますか?

給与だけでなく、賞与、年金、雇用保険の基本手当などを含めて判断します。また、勤務先で本人が社会保険の加入対象にならないかも確認が必要です。

 

Q2.退職したらすぐに扶養へ入れますか?

今後の収入見込みや雇用保険の基本手当の受給状況によって異なります。退職証明書や離職票等の提出を求められることがあります。

 

Q3.別居している親を扶養に入れられますか?

収入基準を満たし、親の収入より多い金額を継続して仕送りしているなど、生計維持関係が確認できれば認定される可能性があります。

 

Q4.前年の年収が130万円未満なら問題ありませんか?

前年の実績だけでなく、扶養認定時点から今後1年間の収入見込みによって判断されます。

 

15.まとめ・ご相談について

まとめ

社会保険の扶養認定では、続柄、今後1年間の収入見込み、同居・別居、生計維持関係、国内居住、本人の勤務先での社会保険加入要件を総合的に確認します。原則130万円未満ですが、60歳以上または一定の障害がある方は180万円未満、19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)は150万円未満です。

 

社会保険労務士事務所フィデスでは、被扶養者認定に関するご相談、健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者関係届などの手続きをサポートしています。ご家族の就職・退職、勤務時間の変更、年金受給開始などにより判断に迷う場合は、お早めにご相談ください。

主な出典

·   日本年金機構「被扶養者に異動があったときの手続き」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html(確認日:2026年7月28日)

·   日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件の変更」 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202508/0819.html(公表日:2025年8月19日/確認日:2026年7月28日)

·   日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者認定の取扱い」 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202605/0501.html(公表日:2026年5月1日/確認日:2026年7月28日)

·   日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html(確認日:2026年7月28日)

·   厚生労働省「年収の壁への対応」 https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html(確認日:2026年7月28日)

注記:本資料は2026年7月28日時点の公表情報に基づく一般的な案内です。実際の認定は、協会けんぽまたは各健康保険組合が個別に行います。

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